DTM入門:AIボーカルでオリジナル曲を歌わせる魔法

creaira-クリアイラ

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AIボーカルソフトを選ぶ際のポイント

「自分で作った曲にボーカルを入れたいけど、歌うのはちょっと……」 そんな風に思っていませんか?

DTM(デスクトップミュージック)の世界では、AIがまるで人間のように歌ってくれる時代になりました。
歌唱力に自信がなくても、AIボーカルソフトを使えば、あなたの作ったメロディに命を吹き込むことができます。 今回は、初心者でも簡単に始められるAIボーカルソフト「Synthesizer V Pro」を例に、その魔法のような使い方を紹介します。

AIボーカルソフトを選ぶ際のポイントは、大きく分けて2つあります。

一つは「声の種類」です。

AIボーカルソフトには、ポップス向き、ロック向き、優しい声、力強い声など、様々な声のキャラクターが用意されています。

もう一つは「操作のしやすさ」です。

初心者のうちは、直感的に操作できるソフトを選ぶのがおすすめです。
Synthesizer V Proは、豊富な声のライブラリと、分かりやすいインターフェースで、多くのDTM愛好家から支持されています。

バンドをしている方は、このようなボーカル生成AIを仮歌にしてイメージを作る方も少なくはないでしょう。
また、細かな人間的なニュアンスが調整できる事もおすすめする理由のひとつでもあります。

AIボーカルソフト

具体的な使い方を見ていきましょう。

まず、ソフトを立ち上げ、AIボーカリストを選びます。
次に、メロディに合わせて歌詞を入力します。
これだけで、AIが自動的に歌声を生成してくれます。
本当にこれだけ?と思うかもしれませんが、これがAIボーカルのすごいところ。
まるで人間が歌っているかのように自然な発音で、あなたのメロディを歌い上げてくれます。
DTM初心者でも、この簡単なステップでオリジナル曲にボーカルを入れることができるのです。

感情豊かな歌声を作る秘訣

ピッチやビブラートの調整で、AIボーカルに魂を吹き込むテクニック

AIが自動で生成してくれる歌声も素晴らしいですが、さらに一歩進んで、あなたの作品に感情を込めたいですよね。
AIボーカルソフトの真骨頂は、ここからです。 まるで本物の歌手に指示を出すように、ピッチやビブラートを細かく調整することで、AIボーカルに魂を吹き込むことができるのです。

感情を表現する上で最も重要なのがピッチ(音の高さ)の調整です。
人間が歌うとき、一つの音でも微妙に音程が揺れています。
この揺らぎが、歌声に深みや表情を与えます。 Synthesizer V Proでは、ピッチのグラフをマウスで直接編集できます。
例えば、音の始まりを少し低めから入るようにしたり、音の終わりを少し下げて余韻を残したりするだけで、驚くほど生っぽい歌声になります。
サビの部分でピッチを少し上げるように調整すれば、高揚感を表現することも可能です。

ピッチやビブラートの調整で、AIボーカルに魂を吹き込むテクニック

ビブラート(声の震え)の調整

次にビブラート(声の震え)の調整です。 ビブラートは、歌声に情感や力強さを加えるテクニックです。

AIボーカルソフトでは、ビブラートのかけ方を自由に設定できます。
ビブラートの深さ、速さ、開始位置などを調整することで、同じメロディでも、切なく聞こえたり、力強く聞こえたりと、歌声の印象がガラッと変わります。
また、「歌い方」の設定も重要です。 「かすれ声」「息づかい」といったパラメーターを調整すれば、まるで囁くように歌わせたり、力いっぱい叫ぶように歌わせたりすることも可能です。
これらのテクニックを駆使することで、AIボーカルは単なる音声ではなく、あなたの感情を表現する**「楽器」**へと進化します。

DTM新時代の幕開け:最新AIボーカル事情と未来

2025年9月現在、AIボーカル技術はかつてないほどの進化を遂げています。

数年前までは、特定のキャラクターの声しか使えませんでしたが、今ではAIが人間の声の特徴を学習し、まったく新しい歌声を生成する技術も実用化されています。

好みではありますが、以前からある「初音ミク」的なボーカロイドとは異なり、人間のように歌唱ができる「リアルなAIボーカル」が登場しています。
2025年に入りこのようなソフトウェアも進化を遂げて、更に人間らしさだけでなく「個性をもった歌唱」が出来るようになってきました。


「AIボーカルキャラクター作成」というサービスも登場し、自分の声を基にしたAIボーカリストを簡単に作れるようになりました。
これにより、自分だけのオリジナルのAIボーカルを使って、曲を作ることが可能になっています。

また、AIボーカルとAI作曲の連携も進んでいます。
AI作曲ツールが生成したメロディに、AIボーカルが自動で最適な歌い方を提案してくれるといった機能が、次々と搭載されています。
これにより、音楽制作のプロセスがさらに効率化され、これまで以上に多くの人が気軽に作曲を楽しめるようになっています。

リアルタイムでのAIボーカル

さらに、将来的な展望として、リアルタイムでのAIボーカル生成が期待されています。

例えば、ライブ配信中に視聴者のコメントから即座に歌詞を生成し、AIボーカルがその場で歌い上げる、といったインタラクティブな音楽体験が実現するかもしれません。
また、VRやメタバースといった仮想空間での音楽活動でも、AIボーカルは重要な役割を担うでしょう。

AIが自動でハーモニーやコーラスパートを生成し、一人で何役もこなせるような、新しい音楽表現の形が生まれてきています。

AIボーカルは、DTMの世界をさらに広げ、誰もが音楽で自己表現できる時代を切り開いています。

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